みんなが楽しめる、技術系ポッドキャスト最高峰クオリティ番組「エンジニアの楽園 vim-jpラジオ」
2024-07-17T09:57:49+0900
2024年7月8日月曜12時、ポッドキャストラジオ番組「エンジニアの楽園vim-jpラジオ」がAuDee(TOKYO FM)公式番組として配信開始されました。
ほかにも以下のプラットフォームから配信されていて、毎週月曜更新となっています。
まだお聞きになっていない方は、冒頭から圧倒的なクオリティを感じられますので、騙されたと思ってぜひ一度だけでもお聞きになってみてください。
今回は、こちらのラジオ番組を作った経緯や、どのようにして作ったのかを記録しておきます。
構想5年、実働2ヶ月半で配信開始 #
きっかけは、vim-jpでつぶやいたこちらの一言でした。
何気なくつぶやいた「そういえば、vim-jp ラジオ立ち上げたい」という、この発言をきっかけにして、パーソナリティとしてありすえさんが手を上げてくださり、ほかにもたくさんの協力者が集った結果、実際に約2ヶ月半でポッドキャストラジオ番組が立ち上がって配信が開始されました。
制作のテーマは「本気のラジオ番組を作る」 #
vim-jpで話が盛り上がったタイミングで、まずはどういう番組を作ろうと考えているのか、ということを、vim-jpのコミュニティメンバーにこちらの企画書を作って共有しました。
企画概要
一言でいうなら、エンジニアの楽園である vim-jp の面白さをラジオコンテンツとして輸出したいです。
vim-jpにある無数のチャンネルのように、さまざまなエンジニア向けの話題を幅広く扱いつつ、深く楽しいラジオ番組にしたいと考えています。
また制作する番組は、とって出しの手弁当なものでなく、ディレクターがいて、編集が行われて、楽曲、ジングル、ナレーションを必要に応じてつかった、素人臭さのない真っ当なラジオ番組をやりたいと考えています。
エンジニアの楽園 vim-jp Radio(仮)企画書
要するに今回のラジオ制作のテーマは「本気のラジオを作る」でした。
技術系ポッドキャストは、宮川さんのRebuildを筆頭に、いまでは数多く存在していているわけですが、もし自分がポッドキャストを作るのであれば、自分にしかできない最高の番組を作りたいと思っていました。
そのためには、お金も使うし、収益化(運営費を稼ぐこと)もちゃんと考えて、やれることは全部やろうという意思を持っていましたが、おそらく僕以外の人は、そこまでやるとは考えていないはずです。
ですが、コミュニティを題材としたラジオ番組にする以上、コミュニティの人達が僕の考えを受け入れてくれなければ、番組が成り立ちません。そこで、実際に動きはじめる前にコニュニティの中で以下の所信表明をしました。
番組をはじめるにあたっての所信表明
vim-jp ラジオをはじめるにあたり、tomoya (正確にはtomoyaが100%株式を持つフォーコード会社) が1年間の運営費として500万円程度の予算を用意します。これを元手に本格的なラジオ番組を制作していきます。そのため、制作に関わるもろもろの契約、権利、会計等については、前述のフォーコード株式会社の責任で行い、最終意思決定についてもコミュニティの意見を参考にしながらtomoyaが行っていきます。
ただ、採算度外視で道楽として資金を投入し続けるつもりはなく、企業として、初期投資の回収や運営の健全化など、色々とよりよい形のマネタイズは考えていこうと考えています。
つまり、コミュニティの力を借りながら、お金を稼ぐ行為も行っていく姿勢になりますので、この形に良い印象を持たない人もいるかもしれません。
ですが、自分としては、これで一攫千金を当ててやろうという意思はなく、これまで2回 VimConf のスポンサー(合計200万円) を行ったり、HHKBプロジェクトなる開発業務委託プロジェクト(総額3000万円のお支払い)などを通じて、コミュニティを盛り上げるたの取り組みを行ってきましたので、これもそれらの活動の一環とだと思ってもらいたいです。
もしも仮にですが、ラジオが大成功してスポンサーが見つかり、その上で黒字になった場合は、今後もVimConfやHHKBプロジェクトなどvim-jpに還元していくつもりですので、みなさま何卒ご協力のほど宜しくお願いします。
2024年4月24日
大竹智也(tomoya)
これに関しても、vim-jpのメンバーからとても前向きに応援を受けたので、こちらもそれに応えて全力でやる覚悟を決めました。
本気でやるために作ったもの #
本気でラジオ番組を作るために絶対に必要だと考えたのはつぎの2つです。
- スタジオで収録してプロの編集を入れる
- テーマソングやジングル素材をちゃんと作る
この2つを自分でやるのは当然ながら無理があります。そこで、自分のこれまでの人脈をフル活用して、声をかけれそうなところにはすべて声をかけるようにしました。
そこで声をかけたのがラジオ制作会社のシャ・ラ・ラ・カンパニーさんとアーティストのゲントウキ 田中潤さんでした。
どちらもこれまで一緒に仕事をしたことはありませんでしたが、メッセージを送ったところ無事にアポが取れたので、お2方にはこのこちらの企画書を見ながら、自分の考えを伝えた結果、無事に仕事として受けてもらえる約束をとりつけることができ、大きく前に進めることになりました。
シャ・ラ・ラさんからはTOKYO FMさんと繋げてもらったり、田中潤さんにはOP/EDの2曲もやってもらえたりと、自分の想定以上に協力してもらえて、とても嬉しかったです。
ここらへんの話については、ラジオの#1と#2の冒頭でも話していますので、まだ聞かれていない方はぜひ聞いてみてください。
あとは、カバー画像もそれらに負けないいいものにしたいと思ったため、こちらも知り合いのこまゐ図考室の駒井さんに連絡をとり、けっこう無茶な内容で依頼をしました。
これでプロに依頼できるものはすべて依頼したので、あとは自分達で面白い番組内容を考えるだけになりました。
どうしてvim-jpなのか? #
みなさんご存知かもしれませんが、私はEmacsの本([改訂新版]Emacs実践入門)を書くくらい生粋のEmacsユーザーで、いまだにEmacsを使っています。ですが、そんなEmacserがなぜvim-jpを題材としたラジオを始めようと思ったのでしょうか。
vim-jpについては、以前にエンジニアの楽園 vim-jpという記事を書きましたが、みんなノリがよく、あらゆる技術ネタに貪欲で、とても活発です。
日本語でGoの言語仕様の話がしたいならvim-jpのSlackが一番活発です。
— tenntenn (@tenntenn) June 13, 2024
日本語でEmacsの話がしたいならvim-jpのSlackが一番活発です。 https://t.co/0hsDUl6aOr
— tomoya (@tomoyaton) June 13, 2024
最近ではこんなポストも話題になったりしましたが、いまだ活況さに変わりはありません。
僕はそんなvim-jpの雰囲気が好きなので、ラジオとしてこの空気を出せれば、きっとvim-jpを知らない人にとっても面白いラジオ番組になると考えました。
あとは、雰囲気を出せるかどうかについてですが、こちらはパーソナリティとして手を挙げてくれたありすえさんとであれば、雰囲気もうまく出せると思ったので、あとは体調を万全にして収録にのぞむだけという形でした。
初回レコーディング #
初回レコーディングは、配信の約1ヶ月前に行いました。
スタジオのブース(いわゆる金魚鉢)に入って、モニターヘッドフォンを付けながら、外にはディレクターやミキサーさんがいるという環境は、すべてが初めてでとても緊張しました。
ブース外からトークバックが入るとついうっかり声を出して返事をしてしまう素人二人でしたが、ばりばりに緊張しながらも面白くやらせてもらいました。
レコーディング後は、二人とも何を話したのか記憶がないありさまでしたが、あとはプロの編集を信じて仕上りを待つだけという形になり、こちらはサイト制作や次回以降の番組内容を考えながら初回の配信をリスナーと同じように楽しみに待つだけとなりました。
配信後の反響 #
配信後の反響ですが、公開5日で1000回再生は突破できたようです。また、Apple Podcastランキングではテクノロジーカテゴリでいきなり2位、総合でも99位に入ることができました。
また、2回目配信後にはSpotifyのトップチャートでも、99位にランクインしました。
これはなかなかのロケットスタートを決められたのではないでしょうか。
vim-jpへの御礼報告もこのようによろこんで貰えました。
SNS上の反応でも音作りを褒めてくれる方が多く、自分がイメージしていたクオリティへの思いがリスナーにもちゃんと伝わったみたいでとても嬉しいかったです。
vim-jp ラジオ、とにかく音作りがプロの技で、ここまでくると音質だのに疎い自分でもなるほどこれがプロって感じる。内容も内輪の雰囲気が伝わりつつも外向けを忘れていないバランスがうまいなと思った。#vimjpradio https://t.co/GcBZZ9kmOc
— yoosee (@yoosee) July 9, 2024
Vim-jpラジオ、音が完全にプロのラジオ番組のそれだ…スゴイ (やんちゃクラブの方からきましたhttps://t.co/5RucQ3nphK
— taea🐶 (@ken_c_lo) July 10, 2024
あとはyancyaさんから、
やっぱりはちゃめちゃにクオリティの高いものを見るとなんか引き込まれますよね。いやー、これがプロの仕事かと思って。ちょっと感動してしまった。
のように動画の中で褒めてもらい、こちらとしても作って良かったなと、とても嬉しくなりました。
yancyaさんのお陰で、kakutaniさんもコンバージョンしました。
わたしはチョロいので #やんちゃクラブ で言及されるとコンバージョンしがち https://t.co/Ktqv7CyJSf
— Kakutani Shintaro (@kakutani) July 10, 2024
vim-jpラジオの今後とスポンサー募集 #
さて、vim-jpラジオの今後ですが、自分としては年単位で長く続けていきたいと考えていますし、もっともっと多くの人に楽しんでもらえる番組にしていくつもりです。
そのための企画やゲストの手配など、色々と裏で考えていっており、ひとまず年内のネタはだいぶ固まっていて仕込み中となっています。
ですが、いまの体制で続けていくためにはお金が必要で、いまはすべて僕の自腹でつないでいますが、収益がない状態が続くと、半年から1年で力尽きることになります。
そこで番組を長く続けていくための色々と施策を考えているのですが、その大きな柱となるのは、やはりスポンサーです。ですので、この番組では積極的にスポンサーを募集していきます。
もし、番組を聞いてもらって、これなら出してもよいと思った場合はご連絡をください。
というわけで、今後もみんなが面白いと思える番組になるよう全力で頑張っていきますので、応援どうぞよろしくお願いします。
お願いばかりですが、最後にもうひとつだけ。SNS上で反応が見られるととても嬉しいので、ぜひ感想のポストをお願いします。Xの公式ハッシュタグは#vimjpradioとなります。
謝辞 #
今回、番組を制作するにあたり、パーソナリティーとして手を挙げてくれて、遠方から毎回収録に参加していただいているありすえさん、同じく毎回収録に駆け付けてくれて制作をサポートしてくれているpeacockさん、かっこいいウェブサイトをデザインしてくれた輪ごむさん、サイトを頑張ってくれたryoppippiさんほか、atusyさん、conao3さん、emteeさん、gamoutatsumiさん、hakkadaikonさん、kawarimidollさん、kyoh86さん、mikanさん、na0x2c6さん、ryuichirohさん、shishiさん、taniさんのvim-jpラジオ制作チームのみなさん、最高のテーマソングを作ってくれた田中潤さん、素敵なカバーアートを作ってくれた駒井さん、最初から真摯に企画を聞いてくれたシャララの鈴木さん、収録でお世話になっているディレクターの原田さん、山内さん、いつも好きなことばかりしている僕を応援してくれている家族、そして最後にラジオを聞いてくれたすべてのリスナーに心からの感謝を申し上げます。